炭疸病  Colletotrichum theae-sinensis

1.生態と防除のねらい

 病原菌は病葉で越冬する。病原菌の発育最適温度は25℃付近で、5月から10月頃まで長期間にわたり感染するが、6〜9月に発生が多い。病原菌は新葉の毛じより侵入感染し、潜伏期間は約20日間あるので各茶期とも発病前に摘採される。しかし、三番茶を摘採しない園や自然仕立の茶園では発生が多い。
本病は雨滴により胞子が飛散伝播するので降雨の多い時に多発し、罹病葉の大半は落葉するため芽の伸長が悪くなり収量・品質が低下する。
また、品種によって耐病性に差があり、‘やぶきた’、‘さやまかおり’、‘おくみどり’、‘おおいわせ’などは発生しやすい。
 防除は、煎茶園では二番茶の1葉期と、最終摘採後の1葉期から5〜7日おきに2〜3回行う。玉露園では、剪枝後1葉開葉期頃から5〜7日おきに2〜3回防除する。降雨前の防除の方が効果は大きい。また薬剤散布した後に降雨があった場合、薬液が乾いていれば(散布から約2時間)再散布の必要はない。

2.耕種的防除

(1) 窒素質肥料の過用を避ける。
(2) 常発地帯では抵抗性品種を選ぶ。
(3) 日当り、通風を良くする。

3.写真

   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑(農業協同組合連合会)より