カンザワハダニ

1.生態と防除のねらい

 雌成虫で越冬し、年9回前後発生する。成虫は体長0.3〜0.4mmで、雄虫の方が小さい。雌虫は赤〜暗赤色(冬季の休眠中は朱色)で楕円形、雄虫は淡赤〜淡黄赤色で菱状卵円形をなす。
 主として、春及び秋に発生が著しく、晩霜の被害園で多発し易いが、近年は一番茶期中の増殖が多く、二番茶にも被害がみられるようになった。越冬ダニは3月上旬頃から産卵し始め、4月中旬〜5月中旬に最高密度となる。梅雨期には減少するが、その後8月中旬頃から再び増加し始める。
 防除は3月上・中旬の産卵数増加前及び10月下旬〜11月の越冬ダニの防除に重点をおき、新芽の生育中はなるべくさける。多発園では一番茶摘採後や秋芽生育期にも防除する。防除の目安は、生育密度が1葉当たり平均0.1頭(卵・幼虫・成虫)以上(または寄生葉率2%以上)の場合であるが、3月上旬は基本防除とする。
 なお、霜害後は多発しやすいので、なるべく早めに防除する必要がある。また、本種は薬剤抵抗性の発達が早いため、同一薬剤の連用を避け、複数の薬剤を交互に利用して薬剤抵抗性の発達を抑えるよう特に注意すること。

3.写真