チャノホソガ(サンカクハマキ)

1.生態と防除のねらい

 蛹で越冬し、年6〜7回発生する。一・二番茶期及び秋に発生が多いが、各茶期後の整せん枝処理により遅れ芽の発生が少なくなったため密度が低下した。発生ははさみ摘み園に比べて自然仕立園が多い。作型の多様化により夏から秋にかけても若葉が伸びるようになって、秋期の発生が多くなってきた。
 細長い蛾で成虫の体長は約4mm、全体は光沢のある淡紫褐色で、前翅の中央前縁に三角形の黄金色紋がある。成虫は新葉の裏に産卵し、ふ化幼虫は新葉裏面の表皮を潜行加害(ハモグリ状食痕)し葉縁を少し巻いたのち、新しい葉に移り葉の先端から約2分の1を三角形に巻き合わせる。このためサンカクハマキとも呼ばれる。幼虫はこの中で食害を続けるため、虫糞が葉巻の中にたまる。そのため被害は収量減よりも品質低下が問題となる。このため本虫は一番茶期で摘採の遅れる園や、玉露園などの覆下茶園では防除を十分に行う必要がある。
 防除は新葉展開期で幼虫が葉裏に潜行する時期に葉裏まで薬剤が十分かかるよう散布する。一般に茶の品質維持のためには、秋の最終発生時防除を十分に行い、一番茶期の防除は回避する。

3.写真