コミカンアブラムシ

1.生態と防除のねらい

 チャでは通常成虫態で越冬し、年10数回発生する。成虫の体長は約1.6mm、だ円形で、暗褐色または黒褐色をしている。 4月頃から新芽に寄生し、繁殖する。本虫は繁殖力が極めて旺盛で、幼虫は約10日で成虫になり、単為生殖によって胎生する。 雌成虫には有翅と無翅がおり、有翅虫は移動して繁殖するが、無翅虫は同一場所で繁殖するので群がって寄生する。寄生した 新葉は吸汁加害されるので、葉が内側に巻き込み萎縮して黄変し芽の伸びが悪くなるだけでなく、アブラムシ特有の分泌物が 寄生芽や周辺の葉に付着し、すす病を併発することがある。このような場合には製茶品質が著しく低下する。被覆した園や、 風通しの悪い園に発生が多い。
 防除は、煎茶園では1葉開葉期に、覆下園では被覆直前に本虫が散見される場合は実施する。

3.写真