その他の害虫

 ハスモンヨトウキャベツなどのほか葉根菜類・果菜類・イモ類など寄主範囲が極めて広い害虫である。茶樹では、昭和39年に静岡県で苗床の幼苗の茎葉を加害しているのが初めて発見されている。本県では本虫の多発生年に茶園でも被害がでている。野菜などでは年4〜6回発生し、成虫は5月頃からみられるが、茶園では8月下旬以降に発生がみられる。
 茶園にも産卵し、幼虫が茶葉を食害する。被害状況はヨモギエダシャクに似ている。
 防除は8月下旬〜9月下旬に、ヨモギエダシャクの防除に準じて行う。

シイノコキクイムシ

 成虫で越冬し、年2回発生する。成虫は体長2.0oの円筒形で黒褐色の小甲虫である。7〜8月に第1世代幼虫、8〜9月に第2世代幼虫が現れる。越冬を終了した成虫は6〜7月に地上に出て飛翔分散して根に穿孔し、トンネルをつくる。産卵後、ふ化した幼虫は親が育ててくれたカビ(アンブロシア菌)を食べて発育する。主に枝幹に穿孔する。これにより上部の枝幹は枯死し、多発すると枝枯れ症状を呈して茶園は荒廃する。
 今のところ被害枝を除去、焼却する以外に防除策はない。

ハンノキキクイムシ

 成虫で越冬し、年2回発生する。成虫は体長2.5oの円筒形で黒褐色の小甲虫である。6〜7月に第1世代幼虫、8〜9月に第2世代幼虫が現れる。シイノコキクイムシと同様の生態をしているが、主に深さ20〜30pのところにある直径2〜3cmの根に好んで穿孔し、トンネルを作る。排水不良の茶園に多発すると茶園は荒廃する。防除は薬剤よりも排水不良を改善することが先決である。