褐条病  Pseudomonas avenae

〈生態と防除のねらい〉

 本県では1993年に初確認された。出芽直後から葉鞘や葉身に巾1mm程度の条斑が現れ、苗の生育とともに上位の葉鞘や葉身へ進展する。生育初期に症状が現れた苗は枯死する場合が多い。また、苗が湾曲したり種子の数ミリ上から冠根を生じるものもある。発生は坪枯れ状になることはなく、箱全体に平均的に発生する。
 主な伝染源は罹病種子である。催芽〜緑化期の高温多湿となる施設育苗での発生が多く、特にシャワー循環式催芽機(ハトムネ催芽機)を用いると、高温と浸漬水の循環による酸素の補給によって本病菌の増殖に好適な条件が整うために発生が多くなると考えられている。
 被害苗の多くは移植後に枯死する。枯死せずに生育した苗の病徴は分げつ期には完全に消失し、生育は健全株と同等になる。また、種子伝染性であるが、籾に病徴を現さず、稔実程度も健全籾と差異がないため、塩水選では保菌種子の除去はできない。

〈耕種的防除法〉

 1.無病種子を用いる。
 2.育苗時の加温(特に催芽、出芽時)は最小限にとどめる。

〈薬剤防除法〉

 1.種子消毒(水稲の農薬一覧表参照)
 2.育苗箱処理(水稲の農薬一覧表参照)