コブノメイガ〈生態と防除のねらい〉休眠性がなく九州本土以北の国内では越冬できない。発生源は海外からの飛来による。したがって、飛来時期が早く飛来量が多い年にほ被害が大きくなる。主な飛来は6月下旬〜7月中旬にみられ、その後2〜3世代を経過する。成虫は1雌当たり150〜200個の卵を1〜数粒ずつ点々とイネの葉に産卵する。成虫は窒素過多、遅植え等の葉色の濃いイネに集中して産卵するため、このようなイネでは次世代の発生が多くなる。ふ化幼虫は心葉や弱小分げつの葉、前世代の幼虫がつづった葉の中などに一時ひそみ、その後加害する。 主な被害は飛来後1〜2世代幼虫による止葉、次葉の食害である。幼虫はイネの葉を縦につづり合わせ、表皮細胞を1層残して葉の表面を食害するため、激しい食害を受けた水田は全面が白く見える。 本種による被害が問題になるのは飛来後第2世代幼虫による出穂期前後の食害である。飛来後第1世代幼虫による幼穂形成期頃の食害では収量への影響は小さい。したがって、通常第2世代幼虫による食害を防止するため防除を行う。早期水稲では飛来後第1世代成虫の発蛾最盛期が出穂期以降になるため飛来後第 2世代幼虫による被害は少なく、多飛来年に飛来後第1世代幼虫による加害が問題になるだけである。 薬剤散布は発蛾最盛期を目安として、防除効果の高い若齢幼虫期(発蛾最盛期から1週間後)までに行う。 〈薬剤防除法〉1.要防除水準出穂期の被害葉率20%であるが、被害発生後では手遅れとなるので、予防的に防除を行う。 指導資料参照。 2.普通期水稲では防除は飛来後第2世代(8月中〜下旬)に行う。 3.防除適期は発蛾最盛期1週間後である。 〈参考資科〉1.温度別発育期間については付属資料参照。2.発育ステージ推定のための発生パターン図については付属資料参照。 〈写真〉
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