アワヨトウ 

〈生態と防除のねらい〉

 元来畑作物のアワ、ヒエ、トウモロコシ、陸稲、ソバ、飼料作物を加害するが、水稲にしばしば突発的に異常発生する。特に早期稲や水害、干ばつ後の普通期水稲に大発生して甚大な被害を与える。発生経過はあまり明らかではないが越冬は卵、幼虫、蛹、成虫のどれでもするようであり、年間少なくとも、4回以上発生するようである。一般に普通期稲で6月下旬〜7月中旬、8月中旬〜9月上旬、9月下旬〜10月上中旬に多発して加害する時期があり、特に9月中旬以降の被害が著しい。
 老齢になると昼間は株元にひそみ、夜間出て食害する。多発田では食い尽くすと群をなして隣接田に移動・加害する。幼虫は大きくなるにしたがって薬剤の効果が低下するので、幼虫発生期や水害後では早期発見につとめ、若齢幼虫期のうちに防除するよう努める。

〈薬剤防除法〉

 8月中旬に生息密度の高い地域では、次世代の幼虫期の防除を必行する。その場合、老齢幼虫には効果が劣るので、若齢幼虫(おそくとも3齢期まで)をねらう。

〈写真〉


幼虫

成虫