イネミギワバエ(イネヒメハモグリバエ) 

〈生態と防除のねらい〉

 通常は水辺のイネ科雑草で生活しており、成虫、幼虫、蛹の各態で越冬する。成虫の発生期とイネの移植期が合致したときにイネへ移行、加害する。年間の発生回数は明らかではないが、北日本では7〜8世代を経過するので西日本ではさらに多いと思われる。
 成虫は水面を歩行し、移植直後の垂れ葉や流れ葉など水面に接している部分に好んで産卵する。卵は葉の表面に葉脈に沿って1個ずつ産み付けられる。幼虫は葉内へ潜入し、表皮を残して葉肉を袋状に食害する。蛹化は食害した葉内で行われる。幼虫の加害はイネの生育初期に当たるので、苗の活看や初期生育を低下させ、後期まで生育障害が続く。
 20℃で卵・幼虫・蛹期間はそれぞれ3.1、9.8、8.9日で、産卵から成虫羽化まで約22日である。低温と深水状態が成虫の発生と産卵を誘発、助長し、稚苗や中苗の機械移植は深水状態になり、発生が多い。

〈耕種的防除法〉

 1.深水にならないように水管理を適切に行う。
 2.代かきはできるだけ均平にする。

〈薬剤防除法〉

 イネミズゾウムシをねらった箱施薬により併殺できる。

〈写真〉


被害葉


成虫