網斑病  Pyrenophora teres

〈生態と防除のねらい〉

 大麦のみに発生する。種子伝染及び罹病残渣で伝染し、ほ場で生育中に二次伝染を行い、特に出穂期以降に急激に蔓延する。主に葉と葉鞘に発生する。微細な斑点から始まり、次第に網目状の暗褐色の病斑となり、周縁部は黄化し、子実は暗褐色となる。
 罹病種子または罹病残渣が残るほ場に健全種子を播種すると、幼苗の鞘葉は褐変する。罹病した幼苗や罹病残渣上で形成された本菌の分生子が、飛散して二次感染が起こる。この分生子の形成は15〜25℃で起こり、分生子の飛散距離は約7mである。病斑は下葉から上位葉、子実へと広がる。
 感染適温は10〜15℃であるため、播種時期が遅れると発生は多くなる。また、窒素及びリン酸の多施用は発病を助長する。
 

〈耕種的防除法〉

 1.無病種子を用いる。
 2.播種時期が遅れないようにする。
 3.二次伝染するため見つけ次第発病株を抜き取り、焼却する。
 4.罹病残渣は、すき込むか焼却する。

〈写真〉


葉の病斑

葉の病斑

下葉の枯れ上がり