シロトビムシ類〈生態と防除のねらい〉シロトビムシ類の発生被害は県内各地とも多くなる傾向がみられているが、これは稲刈取時の稲わらのすき込みや堆きゅう肥等の施用により生息条件が好転したためと考えられる。また、大豆栽培跡地等では、シロトビムシ類の発生が、かなり多くなっている場合がある。シロトビムシ類は比較的低温に強く、麦の播種時期には地表面(地下10p程度)付近に最も多く生息している。被害の発生は低温で麦芽の伸長がおくれ、多湿の土壌条件の場合に多い。このため気温が低下する12月以降の遅播きの麦に被害が多くなる。 常習発生地では小麦の栽培を避けるか、あるいは芽出し乾燥まきとして芽を硬化させる方法をとる。 〈耕種的防除法〉1.被害は、低温で出芽が遅れた場合に発生しやすいので、播種適期内で早めに播種する。2.催芽種子を播種すると被害回復の効果が高い。この場合の播種深度は2p程度とする。 3.多発ほ場では冬期湛水状態にすると次年度の被害が軽減される。 4.小麦で被害が大きいので、多発ほ場ではできるだけ二条大麦を栽培する。 〈薬剤防除法〉種子粉衣を行う。〈参考〉1.本種は地表面(地下10pまで)での生息密度が高い。生息密度は土壌を水中で攪拌すると虫が水面に浮上するので、容易に調査できる。 |