ウイルス病 

〈写真〉


葉の病徴

褐斑粒(被害粒)

ダイズモザイク病  Soybean mosaic virus(SoyMV)

〈生態と防除のねらい〉

 種子伝染性及び汁液伝染性である。
 種子伝染株は、初生葉は小さく、モザイクとなって葉縁が下側へ巻く。ほ場で感染すると若い葉は葉脈が透明となり、モザイク、縮葉症状を示して葉縁が下側へ巻く。また、草丈も短くなり、莢は湾曲して偏平になることもある。被害粒には、帯状、河川状及び鞍掛状の褐色あるいは黒色の斑紋(褐斑粒)が現れる。
 伝染源は、前年感染したダイズの種子伝染株で、アブラムシによって非永続的に伝搬される。種子伝染率は3〜40%程度で、開花期以前に感染すると高率に種子伝染する。6、7月が高温少雨でアブラムシの多発する年は本病も多発生する。
  

〈耕種的防除法〉

 1.アキシロメ、フクユタカなどの耐病性品種を栽培する。
 2.無病徴の罹病種子もあるため、健全株から採取した無病種子を用いる。
 3.発病を認めた株はただちに抜き取り、焼却する。

〈薬剤防除法〉

 アブラムシを防除する。



ダイズ萎縮病
 Cucumber mosaic virus soybean stunt strain(CMV-SS)

〈生態と防除のねらい〉

 種子伝染性及び汁液伝染性である。
 種子伝染株の初生葉は小さく、微細な斑紋を表し、草丈も小さいが、ダイズモザイク病のように葉は奇形とならない。ほ場で感染すると若い葉は小さく、葉脈は透明となり、細かいモザイク状となる。また、草丈も短く、成熟は遅れる。被害粒には、輪紋状、点状、網目状及び放射状の褐色の斑紋(褐斑粒)が現れる。
 伝染源は、前年感染したダイズの種子伝染株で、アブラムシによって非永続的に伝搬される。種子伝染率は30〜 100%で、開花期以前に感染すると高率に種子伝染する。6、7月が高温少雨でアブラムシの多発する年は本病も多発生する。
 CMV-SSは、ウリ科及びナス科植物に発生するCMVとは寄生性の点で異なるため主にダイズのみに伝搬され、逆にCMVがダイズに伝搬されることもほとんどない。

〈耕種的防除法〉

 1.無病徴の罹病種子もあるため、健全株から採取した無病種子を用いる。
 2.発病を認めた株はただちに抜き取り、焼却する。

〈薬剤防除法〉

 アブラムシを防除する。