さび病  Phakopsora packyrizi

〈生態と防除のねらい〉

 初秋から発生して葉、葉柄、茎を侵すが、主に葉で多く、比較的古い葉が侵されやすいので、下葉から発生することが多い。
 発生の初期は淡褐色〜黄褐色の隆起した小斑点を生じ、その後、さらに隆起した褐〜暗褐色の病斑(夏胞子堆)となり、やがて頂部が破れて淡褐色の粉状物(夏胞子)を噴出し、伝染する。夏胞子堆は葉の表面よりも裏面に多く形成されるため、発生初期を見落としやすい。
 環境条件が悪くなると(気温15℃以下)、夏胞子堆周辺に多角形でやや隆起した黒褐色の斑点(冬胞子堆)が形成される。この斑点は葉焼病の斑点と混同されやすいが、さび病では葉裏の病斑部に夏胞子が形成されている点で区別できる。さらに病勢が進むと、その部分が黄化して落葉し、収穫皆無となる。
 伝染環はほとんど解明されていないが、晴天が続き、しかも葉上に朝露が長く残るような気象条件下で多いようである。また、早播きで、多肥栽培するほど発生が多く、被害も大きい。品種間差もみられる。
   

〈耕種的防除法〉

 1.罹病株は集めて焼却する。
 2.過繁茂にならないように施肥基準に基づいて施肥を行う。

〈薬剤防除法〉

 1.薬剤散布は9月中旬までに初発生を認めたら直ちに行う。
 2.薬剤は下葉の葉裏に十分かかるように丁寧に散布する。