べと病  Peronospora manshurica

〈生態と防除のねらい〉

 本菌は種子や被害茎葉中に卵胞子をつくって越冬する。発芽の際に侵入し、葉裏に病斑を形成して、分生子を形成、飛散する。分生子は10〜25℃で形成され、寄主への侵入には水滴が必要である。そのため、6月初旬から7月中旬頃までの比較的温暖多湿な時期に発生し、葉に円形または不整形の淡黄白色の小病斑を散生するが、8月に入ると一時病勢が停滞する。
 9月中旬以降の落葉期に近づくと再び病勢は進展し、病斑は融合して大きな褐色病斑となり、このような病葉は早期落葉する。莢の内部の子実が侵されると亀裂を生じ、乳白色〜黄褐色の菌糸で薄く覆われる。
 密植、多肥栽培により過繁茂になると通風が悪くなって発病しやすく、降雨によって蔓延する。

〈耕種的防除法〉

 1.罹病株は集めて焼却する。
 2.健全種子を用いる。
 3.密植及び多肥栽培により過繁茂にならないように栽培基準に基づく管理を行う。

〈薬剤防除法〉

 1.薬剤散布は9月中旬までに初発生を認めたら直ちに行う。
 2.薬剤は下葉の葉裏に十分かかるように丁寧に散布する。

〈写真〉


葉表の病徴

葉裏の病徴(菌糸が見える)