カメムシ類〈生態と防除のねらい〉ダイズを加害するカメムシ類にはアオクサカメムシ、イチモンジカメムシ、ホソヘリカメムシ、マルカメムシの4種類が主要なものである。マルカメムシは子実を加害せず、茎葉のみを群棲加害するといわれ、通常は大して問題とならないが、他の3種は莢、子実に対する被害がきわめて大きい。 アオクサカメムシはダイズのほかに各種雑草、作物で生活する。年3回発生し、成虫越冬するが、大豆の開花期前後から飛来する。 イチモンジカメムシは、年数回発生し、幼虫で越冬し、アオクサカメムシと同様の加害を繰り返す。ホソヘリカメムシは、年2〜3回発生し、成虫で越冬し、マメ科植物以外の加害はあまりみられない。ダイズよりもインゲンマメ、エンドウなどに被害が多く現われる場合もある。活動はきわめて活発で、飛ぶ力が強く、行動範囲が広い。 カメムシ類の被害は若い莢の場合発育が止まり、生育中に落下するものが多い。子実が肥大期に入ればその養液を吸収するため、初期では完全な不稔となり、板莢あるいは奇形莢となる。子実の稔実が進むと、しわ豆や、奇形豆のようなくず豆が多くなる。この様に幼莢期から子実肥大期における加害が大きいので、この時期に防除の重点をおく。 また、カメムシ類は移動性が強いので、薬剤防除はできるだけ広い地域を一斉に行った方が良い。莢の若い時から肥大期にかけて2〜3回、7〜10日ごとに散布する。 〈薬剤防除法〉莢伸長期から子実肥大期にかけて2〜3回、7〜10日間隔で散布する。〈写真〉
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