フタスジヒメハムシ 

〈生態と防除のねらい〉

 大豆のほかにインゲン、アズキを加害する。
 成虫は体長4mm内外、頭部は褐色で小さく、体の背面は汚黄色で、1対の黒条(フタスジ)がある。幼虫は体長4mm、蛹は3mmくらいで、頭部に1対の剛毛がある。
 ほぼ全国に分布し、暖地では年に2回発生する。越冬は成虫態で畑や畦畔の落葉下や草間に潜んで行い、暖地では4〜5月頃に出現する。雌成虫は、5〜8月に茎を伝って地中に潜り、大豆の根の近くに産卵する。第一世代の新成虫は7〜8月頃、第二世代は9〜10月頃に現われる。
 1雌の産卵数は200〜300で、1週間内外でふ化し、ふ化幼虫は直ちに根粒に食入し、老熟するまでに数個〜10個程度を食害する。老熟幼虫は地表近くで蛹化し、約10日を経て羽化する。
 成虫は、大豆の葉、子葉、莢、茎などを食害する。子葉は裏面を深い皿状にかじり取られ、葉はやや不正形な穴をあけて食害される。莢の表面が食害を受けると、寄生菌によってその部分が変色して子実にも黒斑を生じ、品質を損なう場合がある。成虫による葉の食害が実害に結びつくことはほとんどないが、幼虫による根粒の食害については不明である。
 大豆を連作すると次第に密度が高まる傾向がある。

〈耕種的防除法〉

 1.収穫後に畑内の落葉を除去するか、土中にすき込むと、翌年の発生を少なくできる。
 2.連作を避ける。

〈薬剤防除法〉

 子実肥大期に成虫を対象に、カルホス粉剤、トレボン粉剤、トレボン乳剤等を用いてカメムシ類と同時防除を行う。

〈写真〉


被害粒

成虫による莢の被害


成虫


幼虫による根粒菌の食害