11.コウモリガ類(キマダラコウモリガ、ボクトウガ、ゴマフボクトウ)

1.生態と防除のねらい

 いずれも多くの樹木にせん孔加害する害虫で、発生は普通2年に1回、時に年1回。コウモリガの成虫は8月中旬〜11月上旬、キマダラコウモリガは6月、ポクトウガは6〜9月、ゴマフボクトウは7月中旬〜8月下旬に出現する。
 コウモリガ類は、若令幼虫期は草木類を食ベ、生長すると木本類に移り、せん孔加害する。しかし、時には最初から木本類を加害するものもある。
 ボクトウガ類は初めから、木本類にせん孔加害する。
 コウモリガ類は、食入孔を木くずと虫糞を糸でつづって覆い、ボクトウガ類は丸い虫糞を直接孔外へ排せつする。加害植物はコウモリガ類では草本として、ヨモギ、ユリ、キク、リンドウ、ダリア、アザミ、イタドリなど、木本類ではヤナギ、マサキ、フヨウ、ムクゲ、スギ、ヒノキ、ポプラ、キリ、クリ、ブドウなど、ボクトウガでは林木が主でクヌギ、ナラ、アカシア類、ゴマフボクトウではサクラ、カシ類、ヤナギ、ツツジ、ザクロ、ツバキ、カエデ、グミなどである。
 防除にあたっては、産卵防止と食入初期の駆除に努める必要がある。

2.防除法

 ・耕種的防除
 (1)食入幼虫の刺殺
 (2)ほ場周辺や株周囲の雑草を取り除き清潔にする。    

3.写真

 
コウモリガの成虫と被害部の脱皮殻

 写真:福岡県園芸・茶病害虫図鑑より