13.ミノガ類

1.発生生態

 多くの種類があるが、普通に見られるのはオオミノガとチャミノガである。いずれも雄は羽化後は通常の蛾タイプで飛翔するが、雌成虫はイモムシ状でミノの中に留まり交尾・産卵を行う。両種とも年一回の発生で、産卵と孵化は6〜7月頃、羽化直後の幼虫は風などで分散する。越冬は幼虫態で、幼虫の食害はオオミノガは夏から秋にかけて、チャミノガは年明け後も食害を続ける。中齢以降のミノはオオミノガでは紡錘形、チャミノガでは小枝をつけた円筒形となる。
加害樹種は各種広葉樹や針葉樹に及び、越冬期にミノを糸で固定するため枝枯れがおこることもある。天敵として寄生蜂のほか、メジロやシジュウカラなどの鳥類が冬期幼虫を捕食する。

2.防除のねらい

 ミノの大きさ15mm以上(8月上旬以降)になると効果が落ちるため、若齢幼虫期に防除を行う。

3.防除法

 (1)冬期のミノの捕殺
 (2)オオミノガでは夏の早朝、枝から下垂していることが多いのでこのとき除去する。

4.写真

 
オオミノガのミノ オオミノガのミノと食害状況
チャミノガのミノ

 写真:福岡県園芸・茶病害虫図鑑より