14.イラガ類

1.発生生態

 樹木を加害するイラガ類はイラガ、ヒロヘリアオイラガ、ヒメクロイラガ、テングイラガ等がある。カキなどの果樹にはイラガ、緑化樹にはヒロヘリアオイラガがよく見られ、両種とも多くの樹種を加害する。成虫発生はイラガでは年1回7〜8月、ヒロヘリアオイラガでは6〜7月と8〜9月の年2回見られる。越冬はいずれも固いマユの中で前蛹態ですごす。イラガ幼虫は群集しないが、ヒロヘリアオイラガやヒメクロイラガは群集することが多い。イラガ類の幼虫には毒棘があり皮膚に刺さると毒液が注入されるが、死んだ幼虫や蛹、成虫では毒液の放出はない。ただし、ドクカやチャドクカでは幼虫の針毛自体毒を持つため、死んだ幼虫でも触れると皮膚炎を生じる。
福岡県で現在最も多いヒロヘリアオイラガは元々侵入害虫のようで、マユの付いた樹木の移動によって分布を広げたものと思われる。

2.防除のねらい

 (1)マユの付いた樹本を移植しない。

3.防除法

 (1)冬期マユを掻き取る。
 (2)集合幼虫は寄生葉を取り除く。


4.写真

 
イラガ幼虫 ヒロヘリアオイラガのマユ
ヒロヘリアオイラガの幼虫

 写真:福岡県園芸・茶病害虫図鑑より