2.ミナミキイロアザミウマ

1.生態と防除のねらい

 多くの植物に寄生するが、花き関係ではキク、シクラメン、リンドウ、ツツジなどで発生が多い。キクでは品種間差異が大きく、“秀芳の力”‘新女神”に被害が多い。成虫は1.0〜1.4mm、体色は淡黄色ないし橙黄色で、羽の重なった部分が黒い縦じまに見える。発生は露地で5〜10月、施設で11月〜4月ごろに多くなる。産卵から成虫までの発育日数は25〜30℃の場合、18〜13日と高温時では短期間に急激に増加する。卵は組織の中に産み込まれ、幼虫は2令で成熟し地表に落ち、土壌の間隙で蛹になる。羽化した成虫は寄生植物へ飛来する。
 キクでの被害は、葉に黄色斑を生じ、ややひきつり、ひどい場合は奇形となる。本虫は寄生範囲が広い。周辺の雑草や収穫後の作物が飛来源となるので、ほ場周辺の環境を清潔にし、初期防除に努め育苗時からの防除を徹底する。

2.防除法

  ○耕種的防除
(1)ほ場周辺の雑草を除去するか、除草剤を散布する。
(2)寄生のない苗を植えつける。
(3)ハウスサイド入口に銀色か白色の寒冷紗をかける。
(4)シルバーポリマルチを使用する。
(5)収穫後の作物は早目に除去し、ピニールで被覆して虫が飛散しないようにする。    

3.写真

 
ミナミキイロアザミウマ 被害

 写真:福岡県園芸・茶病害虫図鑑より