イグサ紋枯病  Rhizoctonia solani(不完全時代)
          Thanatephorus cucumeris(完全時代) 

1.生態と防除のねらい

 イグサ紋枯病菌は菌核をほとんど作らず、前年の病茎や株などで越冬した菌糸が伝染源となる。まず、葉鞘に侵入し、次に茎に感染する。早いときは5月中旬から発生する。通常は6月上旬から発生が始まり、梅雨入りとともに蔓延する。梅雨の長雨が続くと被害も多く、冠水地域では収穫皆無になることもある。
 茎の伸長とともに病斑は上部に拡がり、隣接した茎に伝染を繰り返し、被害を大きくする。茎に病斑ができると商品価値が半減するので、耕種的防除法などで発病を防ぐことが大切である。6月中旬以降の蔓延期の薬剤防除は効果が少ないため、常発田及び葉鞘に発病を認めた圃場では発病初期に薬剤を散布する必要があ る。また、刈取後も病斑部は拡がるので、速やかに乾燥する。 

2.防除法

(1) 耕種的防除

 ア 耐病性品種を植え付ける。
               主な品種のイグサ紋枯病耐病性
やや強やや弱
さざなみ筑後みどり
いそなみ
きよなみ
岡山3号
あさなぎせとなみ大莞3号
 イ コナギやマツバイ等の雑草を防除する。
 ウ 窒素過多で軟弱な生育を避ける。
 エ 連作を避ける。
 オ 連作を避ける。
 カ 刈り取り後、速やかに乾燥する。

(2)薬剤防除

薬剤名有効成分(%)散布量
バリダシン粉剤
モンセレン粉剤DL
バリダマイシンA(0.3)
ペンシクロン(1.5)
3〜4.5s
4〜5 s

3.写真