1.マツの材線虫病 Bursaphelenchus xylophilus

1.生態と防除のねらい

 枯れ方は、根の萎凋症状を呈するが、夏期お盆すぎから旧葉が黄変し、新葉も急激に萎凋、褐変枯死する。
 材線虫は、5月中旬頃から7月下旬頃(ピーク6月中旬)に前年の枯死材から羽化脱出してくるマツノマダラカミキリの体内に保持されて、健全なマツの樹冠に運ばれ、当年〜3年枝に付けられたカミキリのかみ痕(後食痕)から侵入し、樹体内をすみやかに移勤して樹を衰弱させ、約1〜2ケ月後に発病する。新しい衰弱枯死木には、カミキリが産卵して、樹皮下で成育、9月下旬頃から材内に穿入し、蛹室を作って越冬、翌年5月中旬頃から体内に材線虫を保持して羽化脱出し、再び材線虫を伝搬する。

2.防除法

(1)マツ植栽地周辺部(2〜3Km)を含め枯損木を、翌春4月下旬までに伐倒焼却する。
(2)大切なマツには、5月下旬〜8月上旬まで5mm目の網をかぶせる。
(3)5月下旬から予防的に薬剤を散布する。