2.マツカレハ

1.生態と防除のねらい

 各種マツ類、ヒマラヤシーダ、カラマツを加害する。通常年1化性だが暖地では2化のこともある。成虫は7〜8月に羽化し、雄は活発に飛ぶが、雌は羽化した樹上に留まり交尾を行い、針葉上に卵塊を産卵する。孵化幼虫は集団で新梢の葉の片面だけを食うが、二齢以降は分散する。越冬は樹皮の間や落葉中だが、暖地では針葉の付け根などで越冬し、樹上に留まる場合が多い。3月頃から食害を再開し、6月下旬から7月にかけて樹上でマユを作り蛹化する。年2化の場合は新成虫が、産卵された年の9月頃羽化し、越冬は若齢幼虫で行う。クモ類、サシガメ、寄生バエ、ウイルスなど天敵は多い。マツは全葉食害されても翌年被害が無いと回復するが、2年激害が続くと枯死する。年2化性の場合も枯死しやすい。放置マツ林が発生源となりやすい。越冬幼虫防除のためのコモ巻きは暖地では効果が低い。

2.防除法

(1)卵塊や若齢幼虫を枝ごと除去する。
(2)マユを集めて焼却。

3.写真

 
マツカレハ 老齢幼虫

 写真:福岡県園芸・茶病害虫図鑑より