かいよう病  Xanthomonas campestris pv. citri

1.生態と防除のねらい

  病原菌は、枝葉や樹上果実の病斑部で越冬するが、秋の病斑と秋季感染の潜伏越冬病斑は翌春の病原菌の増殖力が強く、伝染源の主体をなしている。平均気温28℃ 前後で最も増殖力が大きく、雨媒伝染をして、特に強い風雨によって感染が甚しくなる。
 病原菌は気孔がよく開いている時期(葉長が3cmから硬化直前まで)が感染しやすい。潜伏期間は、春葉で10〜20日、夏葉で5〜10日、秋葉で10日以上、硬化した葉では20日位である。一般に夏秋梢に発病が多く、台風やミカンハモグリガの傷などからよく発病する。
 防除にあたっては、防風施設の完備や発病枝梢の剪除など耕種的防除を徹底するとともに、ミカンハモグリガの防除を十分に行う。
 薬剤防除は、発芽前、開花前、落花直後と梅雨期に雨前の予防散布が重要である。なお、発芽前の散布は、幼木及び前年の発病の多かった園で行い、特に早春が温暖多雨のときは必ず散布する。又、夏秋季の防除は、強風雨後に発病が甚しいので、風雨前の防除を徹底する。ハウス栽培では発病が少ない。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 防風林、防風垣を必ず設置する。
 (2) 罹病枝を剪除焼却し、伝染源を少なくする。
 (3) 温州ミカンでは、罹病性品種との混植及び隣植をさげる。
 (4) 新植時無病苗を定植する。
 (5) 施肥に注意し、枝葉が軟弱にならないようにする。

3.写真 



被害葉(表病斑)

被害葉(裏病斑)

新梢病斑

病果