貯蔵病害(果実軟腐病)

1.生態と防除のねらい

 貯蔵病害には、青かび病、緑かび病、軸腐病、黒腐病、黒斑病、灰色かび病、炭疽病、菌核病、虎斑病などがあるが、中でも発病が多く重要なのは前記の灰色かび病までの6種の病害である。なお、虎斑病はミドリヒメヨコバイや生理的原因によって発生する。
 青かび病、緑かび病は未熟果や傷口以外からは感染しない。一般に9月中旬以降の風傷や吸汁性害虫の食痕部などから腐敗する。緑かび病は貯蔵初期から発生するが、青かび病は2月以降から発生する傾向がある。これらの発生比率は年により、場所によって異なり、夏から秋にかけて乾燥する年、果汁中の糖度が高い年には青かび病の発生が多くなる。また青かび病は腐敗果に健全果が接触して感染することもある。
 軸腐病は黒点病菌によっておこり、黒点病の多発生園では被害が大きい。病原菌は果実が樹上にある間に感染の機会があり、果梗部やへタの部分に潜伏し、貯蔵が長くなり果実の消耗がはげしくなると果梗部から維管束を通って果実内部に侵入し腐敗をおこす。
 黒腐病は、病原菌が柱頭より侵入し、または幼果期の傷口から潜伏し貯蔵中に発病する。収穫前に雪や雹が降ると、発病が多くなる。また立木中にも発病し生理落果を助長することがある。
 黒斑病は一般に貯蔵中期から後期に発生する。本病菌は晋段は果実の組織中に潜伏して病徴を出さないが、組織が弱ったときに、貯蔵中はとくに乾燥過多のときに、発病が多い。また採取前に霜害を受けると発病が多くなる。
 灰色かび病は、各種の野菜類など広範に寄生する病原菌によっておきる。本病は接触感染するため一度発病すると甚大な被害をもたらす。
 多湿の貯蔵状態で発生しやすく、貯蔵庫内の湿度はみかんでは80〜85%、中晩柑では90%が良い。
貯蔵病害の防除には、まず適正な肥培管理により貯蔵性の高い果実を作ることが必要である。また収穫、貯蔵時に傷をつけないよう取り扱いに十分注意し、充分な予措と適切な貯蔵管理と腐敗果の点検をおこなうことに留意する。果実腐敗防止剤の散布は収穫前に1回行う。

2.防除法(耕種的防除)  

 (1) 果皮に傷をつけないように注意する。
 (2) 収穫果実の貯蔵予措を行う。
 (3) 貯蔵庫内の管理、とくに湿度を適性に保つ。

3.写真 


黒腐病

黒斑病

緑かび病

青かび病

軸腐れ病