アブラムシ類 

1.生態と防除のねらい

 カンキツに寄生するアブラムシの主な種類はミカンクロアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、ワタアブラムシの3種である。最も普通に見られるミカンクロアブラムシはトリステザウイルスの媒介やスス病の原因となるだけでなく、果梗部を集中加害し落果させることもあるので、早めに防除する必要があるが、薬剤には弱いので簡単に防除出来る。淡緑色の体色をしたユキヤナギアブラムシは薬剤に対して強いが、新梢の先端部に群生し寄生葉が内側に湾曲する程度で、幼木や高接ぎ樹を除いて実害はあまりないので、機械的に防除しないで天敵の活用を図る。ワタアブラムシは体色が黒色、緑色、黄土色と変化に富み、やや硬化した新葉にも寄生する。本種に対しては、浸透性アブラムシ防除剤のエストックス乳剤、エカチン、キルバール液剤は効果が劣る。また近年、従来効果が高かった合成ピレスロイド系薬剤の効かないワタアブラムシの発生が増加しているので、その場合は他の薬剤で防除を行う。

2.写真 


ミカンクロアブラムシ

ユキヤナギアブラムシ