黒とう病   Elsinoe ampelina

1.生態と防除のねらい

 病原菌は結果母枝や巻ひげ等の病斑部で越冬し、4〜5月から降雨のたびに胞子を作り、新梢や新葉、巻ひげ等に感染し発病する。この新病斑が二次伝染源となり、次々に伝染を繰り返す。発病は4月下旬頃から認められるが、梅雨明け以降の高温乾燥期には一時停止する。病原菌の発育適温は25〜30℃であるが、胞子形成や発芽は20〜25℃が好適で、4〜7月に降雨が多いと多発する。
 防除としては、罹病枝や巻ひげをせん定時にできるだけ除去し、萌芽期の薬剤防除を必行して初期発病を極力抑えることが重要である。また、被覆栽培を行うと発病を軽減できる。
 近年、本病に対するべンズイミダゾール系薬剤の効力低下が認められるため、本系剤の効果が劣る場合は別の薬剤に切り替える。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 被覆栽培を行う。
 (2) 巻ひげを摘採し、焼却又は埋没する。
 (3) 罹病部を早く摘採し、焼却又は埋没して二次伝染を防ぐ。
 (4) 罹病苗を持込まないようにする。
 (5) 肥培管理を適正にし、枝が徒長しないようにする。

3.写真 





新梢の病斑

越冬病斑

葉の病斑

葉の病斑

果実の病斑