黒星病  Venturia nashicola

1.生態と防除のねらい

 伝染源は、芽基部上に形成される分生胞子と、罹病落葉に形成される子のう胞子である。なお、九州では子のう胞子の存在は確認されていない。
 芽基部りん片に発病のみられる圃場は多発する。初発病は開花前の芽基部に認められることが多く、これらの病斑部に多量の分生胞子を作り次々に二次伝染する。4月〜6月と9月が低温多雨の年に発病が多い。潜伏期間は4月では15〜17日である。
 初期防除に重点をおき、開花前からの初期発病を抑え、5月から梅雨期に重点的に行う。また越冬菌密度を少なくするため秋季防除を徹底する。薬剤防除に当っては、耐性菌の出現をさけるため、同一系統薬剤の連用散布をさける。
 なお、効果が劣る場合は他の系統の薬剤を使用する。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 罹病苗を持込まないようにする。
 (2) 落葉の処分を行う。
 (3) 春季の初期発病芽は出来るかぎり剪除し、焼却又は埋没する。
 (4) 枝梢の遅伸びや二次伸長をしない栽培管理をする。
 (5) 密植園は間伐を行い、園の排水、通風及び採光をはかる。

3.写真 


葉柄の病斑

花の病斑

幼果の病斑

熟果の病斑