赤星病  Gymnosporangium asiaticum

1.生態と防除のねらい

 病原菌はナシとビャクシン類との間に寄生輪廻を行う。ビャクシン類の枝葉の組織内に菌糸態で越冬し2月中下旬頃からビャクシンの枝葉上に冬胞子堆を形成する。この冬胞子堆は3月下旬頃から降雨の際に寒天状に膨潤する。発芽した冬胞子は小生子を生じナシに飛来して感染する。感染後10日〜2週間位で発病するが二次伝染はしない、発病後約1か月を過ぎると銹胞子は雨でビャクシン類に感染し夏〜冬を過ごす。
 防除にあたっては、感染期の予察を行い、適期防除を推進する。
 中間宿主対策として、ナシ園周辺のビャクシン類は可能な限り広域に植栽をさける。
 予察は、ビャクシン類上の冬胞子堆の膨潤状況を3月下旬頃から降雨の都度観察するか、或は、ビャクシン類の冬胞子堆病斑を数日おきに水に浸漬しその膨潤状況を観察することで行うことができる。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 中間寄主の除去

3.写真 


ビャクシン上の冬胞子堆   葉の初期病斑

葉の銹子腔

新梢上での発病

果実の発病