枝枯病  Botryosphaeria dothidea

1.生態と防除のねらい

 枝、幹、葉および果実を侵す。2〜3年生の側枝が突然萎ちょうするのが特徴で、剪定切り口、芽枯れ部または枝表皮の亀裂部などから発病する。病斑部は最初黒褐色で、その後赤褐色となる。菌は木質部深くまで達し形成層を破壊するので、病斑部より先は萎ちょう枯死する。果実においては、輪紋病と異なり病斑上に輪紋を形成しないのが特徴である。病原菌は枝、幹の病斑上または剪定枯枝上で腐生的に生活しており、病斑上に作られた柄胞子は雨で飛散し、枝幹の付傷部より侵入する。幼木時に多肥栽培などで軟弱徒長気味に育てると発病しやすい。病原菌は傷口から侵入するので剪定切り口には殺菌塗布剤(トップジンMペ−ストなど)を塗布する。結果過多を避け、排水の悪い園地では土壌改良を行うことも大切である。

2.防除法(耕種的防除) 

 (1) 罹病枝や罹病果は直ちに摘除し、除去焼却する。
 (2) 幼木時に肥培管理を適正にし、軟弱徒長気味に育てない。
 (3) 結果過多を避け、排水の悪い園地では土壌改良を行う。