疫 病   Phytophthora cactorum

1.生態と防除のねらい

 新梢、葉、幼果に発生し、黒褐色不整形病斑を生じる。葉や幼果では萎凋枯死し、落果せずにミイラ化する。主枝や主幹に侵入した病原菌は形成層の部分を進展し、表皮は黒変する。病原菌は藻菌類の一種で土壌中に卵胞子の形態で生存し、過湿条件下で遊走子のうを形成する。これから生じた遊走子は雨滴などにより枝、葉および主幹部まではね上がり感染する。土壌水分が過湿になる場所や風通しが悪いところに発生しやすい。主に地表面付近の卵胞子が第一次伝染源となることから、敷きわらを行ったり、草生栽培に切り替えることで発病を抑制できる。罹病枝や罹病果は直ちに除去焼却し、二次伝染を防止する。

2.防除法(耕種的防除) 

 (1) 被害果は直ちに摘除し、除去焼却する。
 (2) 敷きわらを行ったり、草生栽培に切り替える
 (3) 園内の通風をはかり、多湿にならないように努める。