コナカイガラムシ類

1.生態と防除のねらい

 ナシを加害するコナカイガラムシには、マツモトコナカイガラムシとクワコナカイガラムシの2種が発生する。このうちクワコナカイガラムシは、有力な天敵であるクワコナカイガラヤドリバチが県下全般に分布しているため、現在は極めて低密度となっている。
 マツモトコナカイガラムシは主として粗皮下などで幼虫態で越冬し、5月中下旬に卵のうを形成、6月上旬に第1世代幼虫が出現する。さらに幼虫は7月下旬と10月上旬の年3回発生する。袋内に侵入寄生するのは、主として第1世代幼虫(6月)と第2世代幼虫(7月〜8月)である。一旦袋内に侵入すると防除が困難になるので、その前に防除する必要がある。
 薬剤防除としては、越冬期の防除と越冬幼虫がクラスター基部のリン片部に寄生する開花期前後の防除がある。また、薬剤処理袋の使用は極めて有効であり、被害をほぼ確実に防止できる。しかし処理袋が直接果実にふれると薬害を生じて外観を損う薬害が現れるので、必ず無処理の小袋かけが必要である。なお無袋栽培にするとコナカイガラ類による果実の被害はほとんどなくなる。

2.防除法

○ 耕種的防除法
  粗皮削り: 削りくずは必ず集めて処分する。
○ 薬剤処理袋の利用

3.写真 


マツモトコナカイガラムシ(枝での寄生)

マツモトコナカイガラムシ 成虫

被害果(中央は健全果)