せん孔細菌病  Xanthomonas campestris pv.pruni

1.生態と防除のねらい

 病原菌は細菌で繁殖力が旺盛なため防除が困難である。この病原菌の越冬は、枝病斑部の表皮組織内の病斑または、8月以降に感染した潜伏病斑で行う。越冬した菌は、2月中・下旬の頃から活動を初め、枝の一部が紫褐色に変色してき裂を生じ、細菌が溢出して風雨によって飛散し、伝染する。発育適温は25〜30℃である。葉の発病は展葉間もない4月中・下旬から、枝は6月、果実は5月頃から発病し、二次三次の伝染が旺盛に繰り返される。
 薬剤による決定的な防除法がないので、総合防除で対策をたてる。まず樹勢の維持と防風対策を行うことが最も重要であり、併せて病原密度の低下と予防的薬剤散布を推進する。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 防風林、防風垣を設置する。
 (2) 罹病苗を持込まない。
 (3) 排水をはかるとともに樹勢を強める。
 (4) 病枝を剪除する。

3.写真 


葉の病斑

果実の病斑