黒星病  Cladosporium carpophilum

1.生態と防除のねらい

 病原菌は病斑部に菌糸態で越冬する。そして翌年4月頃(落花期)から分生胞子を形成する。発病は、枝、果実が主体で、葉の発病はまれである。伝染は枝上に形成された分生胞子が降雨によって、飛散し、感染する。
 落花後の幼果は毛茸が密生しているため、菌の侵入を防いでいるが指頭大の大きさになると容易に感染する。侵入した菌は若い果実では約35日、第二肥大期以降は20日位の潜伏期を経て発病する。
 低温多雨条件下では発病が多くなる。
 防除としては、通風不良園では発病が多いので、休眠期に病枝をできるだけ取り除くことが大切である。さらに生育期は薬剤散布の効果が高いので4〜6月に防除の重点をおく。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 罹病苗を持込まないようにする。
 (2) 樹勢の適正化に努める。
 (3) 袋は有底を使用し、破損した場合には早急にかけなおす。
 (4) 病枝は剪除する。
 (5) 園内及び樹冠内部の通風、採光をはかる。

3.写真 


新梢の病斑

果実の病斑