ハダニ類 

1.生態と防除のねらい

 モモを加害するハダニ類はカンザワハダニ、ミカンハダニ、ナミハダニ、クワオオハダニなどが主要種である。
被害は最初、葉に白っぽいかすり状の斑点が現れ、激しく加害されると落葉する。
 越冬はカンザワハダニとナミハダニが成虫態で、園内の雑草内や落葉下、樹皮の隙間などで行う。越冬明け後は園内の雑草で増殖した個体が、5月頃からモモの葉上に移動して増殖を繰り返す。発生は7月初め頃から増加し、7月中下旬〜8月上旬頃にピークとなる。ミカンハダニはモモ樹近くの常緑樹上で卵〜成虫のあらゆるステージで越冬し、クワオオハダニは樹皮上に産みつけられた卵で越冬する。これら2種のモモ葉上での増加のパターンはカンザワハダニとほぼ同様の経過をたどる。
 防除対策としては、モモ葉上での初期密度抑制のため、まず発生源となる雑草の防除や落葉処分を行う。薬剤防除としては、冬期のマシン油剤散布による春期密度の抑制と増加初期である7月上中旬の薬剤散布が重要である。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 主幹部に誘殺バンド(こも、荒なわなどを使用)を設置し、越冬虫の密度抑制を図る。
 (2) 初期の増殖源対策として、園内の雑草防除、落葉処分を行う。

3.写真 


カンザワハダニ 成虫と卵

ミカンハダニ 成虫と卵