ふくろみ病  Taphrina pruni

1.生態と防除のねらい

 落花後間もない時期から発生し、主として果実を侵すが葉や新梢にもまれに発病することがある。発病果は、はじめ長楕円形、長刀状にわん曲するなどいろいろあり、果面は滑らかで緑色がうすく黄緑であるが、のちに青白色になる。
 果実は間もなく膨れあがり、偏平なさや状で、表面には小じわが出来白い粉でおおわれる。葉や新梢が侵されると膨れあがり、形はゆがんで表面には白い粉を生じ、のち枯死する。病果の表面に形成される白粉は子のう殻で、これから子のう胞子が飛散し、枝の芽の付近についたものが越冬し伝染源となる。春先の発芽期頃に雨があると越冬した子のう胞子は発芽し雨で伝染する。ソルダム系は特に弱い。散布は防除時期を失せずムラがないよう、ていねいに行う。近年、硫化硫黄合剤の効果が劣る事例がみられるので、その場合は他剤を散布する。

2.写真 


初期の病斑

後期(中期)の病斑