斑入果病(ウイロイド)

1.生態と防除のねらい

 病原体はホップスタントウイロイド(HSV)で、ソルダムでは黄果病などと称されており、果実以外の部位では症状が認められない。
 大石早生、ビューティー、サンタローザ、太陽等の品種の果実ではキリンの斑紋に似たモザイク状の着色症状を示すが、収穫後に着色が進めば目立たなくなる。また、果実が硬くなり、大石早生では糖度が増す傾向にあり、実被害は少ない。
 ソルダムでは果実表面に凹凸が発生し、果粉が薄く、全体に黄色い赤熟れになる。果実は紅色の着色が阻害され、硬く、食味が悪くなり、被害が著しい。
 本病の伝染は接ぎ木や樹液の接触で起こるため、感染樹の穂木を使用して苗木を育成したり、高接ぎすると伝染する。また、冬季の剪定や夏の徒長枝の切除の際に鋸や鋏などの刃物によって伝染する可能性も高い。
 本病は25℃以上の高温、多照条件で発病、症状が激しくなる傾向があり、露地に比較してハウス栽培で被害が大きい。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 収穫期に感染、罹病樹を把握し、剪定等による感染の拡大を防止する。
 (2) 発病園からは穂木を採取しない。
 (3) 感染樹は計画的に伐採し、順次健全樹に更新する。
 (4) 剪定などに用いる鋏、鋸、ナイフ等は消毒液(水1,000mlに水酸化ナトリウム20〜30gを溶解、ホルマリンを2〜3%加える)に20〜30秒間浸漬して使用する。
    また、簡便な方法として、台所用漂白剤「ハイター」で洗うことで消毒が可能であるが、6ヶ月以内のものを使用する。