かいよう病  Pseudomonas syringae pv.morsprunorum 

1.生態と防除のねらい

 病原菌の生態については不明な点が多い。葉への感染は4〜6月、枝への感染は9〜2月である。特に枝では、剪定時の感染が多い。また、新たに発病する園では、葉の病徴が先にみられる。発病すると、葉には褐色の斑点を生じ、周囲に細菌病特有の黄色いハローを生じる。枝幹部の病徴は1〜2月に白黄色、3月には赤褐色の粘質液を漏出し、ひどい時は枯死する。防除は春季の新梢伸長開始期、収穫後および冬季の剪定直後に行う。主幹部の発病は致命的であると同時に主要な伝染源となるので早めに除去する。4〜6月は、花腐細菌病もかねて葉の感染防止に重点をおき、休眠期は、枝幹部の感染を防止する。特に収穫後と剪定直後の防除を徹底する。

2.防除法(耕種的防除法)

 (1) 発病ほ場から穂木を採取しない。
 (2) 無病の苗木を植える。
 (3) 傷口から感染しやすいので、風当たりの強い園では防風垣を完備する。
 (4) 病樹の剪定は最後に行い、使用後の剪定用具はよく洗浄する。

3.写真 


葉の病斑

枝の病斑