イチジクモンサビダニ

1.生態と防除のねらい

 本種は、イチジクの芽に寄生し、加害する。加害を受けた芽は展葉後にリングスポットやモザイク症状を現す。果実でも肥大につれ同様の症状が見られるようになる。年間を通し全ステージを芽の中で過ごし、越冬も休眠芽の中で行う。特に大きな芽では越冬量が多い。25℃における1世代は約6日で、年間発生回数は約20回程度と推測されている。樹上での密度は5月下旬より上昇し、8月中旬にピークとなる。
 現在のところ本種に登録のある薬剤はない。本種の天敵としては、カブリダニ類による捕食が観察されている程度であり、特に有力なものは知られていない。また、休眠芽で越冬するので苗木の移動によって分布が拡大する恐れがあり、発生園の枝で挿し木苗を作らないようにする。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 発生園で苗木を作らない。
 (2) 発生園の枝を挿し木苗として用いない。