サツマイモネコブセンチュウ

1.生態と防除のねらい

 本種はイチジク以外に多くの野菜、果樹に寄生する。雄はミミズ状(1.0〜1.6o)、雌はレモン型(0.5〜0.8o)で根こぶの中で発育する。年4〜5世代を経過し、根こぶ内(雌成虫、幼虫、卵)と土壌中(雄成虫、幼虫)で越冬する。地温が15℃を越えると活動を始め、根の伸長が最も盛んになる6月上旬頃から寄生量が増加し、根こぶの発生が多くなる。多寄生を受けた樹は根の機能が弱まるため新根の発生が減少する。一般に植え付け6〜7年目頃から樹勢が衰弱し、新梢の伸びが悪くなり、着果量の減少、果実の登熟不良等がみられるようになる。また、根の寿命も短くなる。
 立毛中の根絶は困難であるので、埴栽前に土壌消毒を十分行い、健全な苗木を植え付けることが肝要である。立木中に薬剤処理をする場合は地温が15℃以上になる5月中旬頃から始める必要がある。また、多発後は薬剤の効果が劣るので時々細根を掘り出し、根こぶの有無を確認して早期発見に努める。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 健全な苗木を植え付ける。
 (2) 間作に当たってはセンチュウを持ち込まないように注意する。
 (3) 堆肥などの有機質肥料を施用し、土壌の微生物相を豊かにする。

3.写真 


被害根