がんしゅ病  Pseudomonas syringae pv.eriobotryae

1.生態と防除のねらい

 ビワの芽、葉、枝、果実、幹、主根など樹体のほとんどの部分を侵害し、枝幹を侵すときはがんしゅ状となる。病原細菌の越冬は主に枝幹部の病斑で行われ、菌の発育適温は25〜26℃である。病原細菌に対して樹体の最も感受性の高い時期は芽では2月下旬、春葉は3〜4月、夏葉では6月下旬〜7月上旬、果実は3〜4月で5月以後果実が肥大するに伴って感染しなくなる。枝での感染は4月〜11月までであるが、特に6〜7月の梅雨期と9月が最も感受性が高い。
 防除は予防散布に重点をおき、各々の部位の罹病時期に合わせた防除を行うことが必要である。
 また、耕種的防除として傷をつけないことも大切で、収穫や袋かけ時には特に注意する。芽かぎは、芽の小さい時に数回に分けて行うようにする。また、ナシヒメシンクイやカミキリムシなどの防除を行う。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 罹病苗を持込まない。
 (2) 罹病がひどく回復の見込みがない樹は伐採して焼却する。
 (3) 罹病枝は剪定の時、剪除する。
 (4) 傷をつけないようにする。特に収穫や袋かけの時注意する。
 (5) 芽かぎは、なるべく小さい時に数回に分けて行う。

3.写真 


芽の病斑

果実の病斑