胴枯病  Endothia parasitica

1.生態と防除のねらい

 ニホングリは欧米種に比べて抵抗力がやや強いが、条件の変化によっては被害を生じることがある。
病原菌は損傷部から侵入感染し、気温が10℃以上の日が続く期間中感染を繰り返す。特に、夏の高温時で樹勢の低下する8〜9月は、病勢の進展が著しい。
 防除にあたっては、西、西南向きの傾斜地に多発するので、栽植の際立地条件を考える。カミキリムシ類の食害痕から病菌が侵入するので、害虫の防除を徹底する。また、発病の早期発見に努め、患部処理は病患部が出来るだけ小さいうちに実施する。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 肥培管理をよくし、樹勢の適正化に努める。
 (2) 凍害、日焼、虫害などで枝幹を傷つけないよう注意する。
 (3) 日焼防止としてワラで被覆するか、石灰乳やクレフノンなどの白色塗料を散布する。