クリタマバチ

1.生態と防除のねらい

 年1回の発生で成虫は6月中旬〜7月中旬(最盛期6月下旬〜7月上旬)に発生し、新梢の芽内に5〜6個ずつ産卵する。約30日の卵期間で幼虫となり、芽内で発育する。
 従来は抵抗性品種の導入で被害を回避していたが、近年、抵抗性品種とされるものにも多大の被害が発生し問題となっている。なお、抵抗性品種の中でも被害が少ないのは有磨と石鎚である。
 なお、本種の生物的防除を目的に中国から導入された天敵チュウゴクオナガコバチが福岡地区を中心に定着し始めており、今後、徐々に分布を拡大するものと思われる。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 肥培管理及び縮間伐、整枝、剪定を行い、樹勢の維持強化を図る。
 (2) ふところ枝及び弱小枝の剪定を行い、適正間伐によって弱小枝の増加を防ぐ。
 (3) 3〜5月に年間施肥量の3〜5割を施用し、新梢の伸長充実をはかる。

3.写真 


ゴール(虫えい)被害枝

ゴール断面(幼虫)