キクイムシ類

1.生態と防除のねらい

 クリを加害するキクイムシ類として40種以上が知られているが、一般に多く見られるものはハンノキキクイムシ、サクセスキクイムシ、ミカドキクイムシである。いずれも成虫態で越冬し、翌春平均気温13〜14℃を越えた頃(3月下旬〜4月上旬)から活動し始め、最盛期は5月上中旬である。ハンノキキクイムシ、ミカドキクイムシは年2回発生し、第1世代成虫は7〜8月に多く、第2世代成虫は9〜10月に見られる。しかし、第2世代幼虫はクリには寄生しない。 サクセスキクイムシは年1回の発生で(1部2回発生説もある)成虫発生期は9月中旬〜10月上旬である。これらはいずれも養菌虫類に属し、枝幹部に食入した成虫は坑道をつくり、そこにアンブロシア菌を培養して産卵し、幼虫はこの菌を座食して発育する。本虫は樹勢が衰弱した樹しか食入しないので、肥培管理に留意しながら諸々の樹勢衰弱の要因をなくすことが大切である。

2.防除法(耕種的防除)

 (1) 土壌の過湿、過乾は樹勢への影響が大きいので水分管理を適切に行う。
 (2) 樹が徒長しないように肥培管理を行い、樹義の維持に努める。
 (3) 凍害、日焼けに十分注意する。
 (4) 被害枯死樹は株とともに焼却する。
 (5) 栽植時に適地を選定する。