菌核病  Sclerotinia sclerotiorum

1.生  態

 病原菌は被害部に生じた鼠糞状の菌核が落下し、土壌中で越年、越夏する。春と秋の比較的低温期に子のう盤(きのこ)を作り、子のう胞子を飛散して伝染する。
 菌糸の発育適温は18〜20℃前後で、多湿の場合に発病が多く、ハウスでは10〜3月頃に発生が多い。本病菌は多犯性であり、ナス科をはじめウリ科、マメ科、アブラナ科など多くの作物を侵す。

2.防除のねらい

(1) 比較的低温で多湿の場合に発病が多いので、ハウス栽培では保温と過湿防止をはかり、発病初期のうちに防除を徹底する。
(2) ハウス栽培ではプラスチックフィルムでマルチを行い、子のう盤からの子のう胞子の飛散を妨げる。また発病株を早目に除去し、焼却するか土中深く埋没し、伝染源を少なくするのも重要である。

3.防 除 法

○ 耕種的防除
(1) ハウスやトンネルでは換気をはかり、多湿を避ける。
(2) 被害果、被害茎葉や不用な花弁は早めに除去する。
(3) プラスチックフィルムでマルチを行い、マルチ下潅水を行ってハウス内湿度を高めないようにする。
(4) 発病の恐れがある圃場では30p以上の天地返しを行う。
(5) 多発圃場では水田転換を行うか、夏期に湛水する。

4.写真

  
   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑より