綿疫病  Phytophthora nicotianae var.nicotianae

1.生 態

 病原菌は卵胞子の形で、罹病植物残渣とともに土壌で越年する。本菌は遊走子のうを形成し、降雨の際に土壌面から雨滴とともに遊走子を飛散し、果実に伝染する。病果の病斑上には、遊走子のうを形成し、これが降雨とともに飛散して第二次、第三次の伝染を行う。病菌の発育適温は28℃で、多湿条件で発病が多い。6〜9月頃に発病するが、露地栽培で7〜8月多雨の場合に多発する。連作地で排水不良のほ場に発病が多い。地面に近い果実は土砂のはね上がりによって発病しやすく、また幼苗期には茎の地際部に発病し、立枯症を起こすことがある。

2.防除のねらい

 病原菌は土壌伝染し、連続降雨や集中豪雨によって蔓延するので、多発圃場では連作を避けるか、降雨の前後に予防的に薬剤防除を行うことが重要である。特に多発後は防除が困難であるので、耕種的防除対策を徹底する。

3.防 除 法

○ 耕種的防除
(1) 連作を避け、前年多発圃場の近くも植付けを避ける。
(2) 発病圃場から、水が流入しないように管理する。
(3) 排水を図り多湿にしない。
(4) プラスチックフィルムマルチを行い、雨水による土砂のはね上がりを防ぐ。

4.写真

  
   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑より