青枯病  Ralstonia solanacearum

1.生  態

 病原細菌は被害株の茎葉や根とともに土壌中に生存し、主に傷口から侵入する。ナスのほかトマト、ピーマン、バレイショ、ダイコン、イチゴなどの多くの作物を侵す。
 本病は地温20℃前後の頃から発生し、発病の適温は25℃〜37℃で、夏期に発病しやすい。また、促成栽培では定植時期の早進化によって発生が助長される。排水不良や窒素過多あるいは管理作業による根の損傷、センチュウの発生などでも発病が助長される。芽かき跡の傷口から侵入することもある。3年くらい水田にすると発病が少なくなる。
 抵抗性台木のトルバム・ビガー、アシスト、カレヘン、トレロ、ミートなどに接木を行うと発病が少ない。

2.防除のねらい

(1) 発病の恐れがある圃場では栽培を避ける。やむをえず栽培する場含は土壌消毒 を行う。
(2) 促成栽培では高温期(地温の高い時期)の定植を避ける。
(3) 青枯病菌は病原性の異なる5つの菌群があり、抵抗性台木でも侵される場合が あるので、太陽熱による土壌消毒やその他の耕種的防除法も併せて実施する。

3.防 除 法

○ 耕種的防除
(1) 抵抗性台木に接木栽培する。
  (トマト、ナスの主要品種の病害虫抵抗性の項参照)
(2) 健全な床土で育苗し、無病土に栽培する。
(3) 連作を避ける。
(4) 発病圃場は3年程度水田化する。
(5) 被害株は除去、焼却する。
(6) 発病株に触れた手で健全株に触れないようにする。発病株に触れたら石けんで よく洗う。
(7) 移植後に植傷みのないように注意し、管理作業で根を傷つけないようにする。
(8) 排水を図り、多湿にならないようにする。

4.写真

  
   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑より