チャノホコリダニ

1.生  態

主として成虫で越冬する。越冬はナスの枯死果実、枯死茎葉などのほか、トマトの枯死茎葉、がく、オオアレチノギク、セイタカアワダチソウ、ダイズなどの枯死茎葉、キク茎葉、クローバー葉上などで行われる。本虫の越冬場所は生植物に限らず稲わらやその他の有機物が考えられる。なお、冬季でもかなりの生息虫が観察され、低温には強いようである。
本種は下位葉ではなく主として新葉や芯部を加害する。加害をうけると葉が矮小・奇形し、被害が激しい時には心止まり症状となる。また、蕾が加害されると開花しなかったり、奇形花となる。加害された果実の果梗部は灰白色や灰褐色に、果実表面はサメ肌状になり、商品価値が著しく低下する。
露地での被害は7月頃から見られ、8月中〜下旬にもっとも激しくなる。促成栽培では定植後から被害が発生し、冬期間でも認められるが、4月以降の被害が最も顕著である。
卵から成虫までの発育所要日数は、25℃で7〜11日、30℃では4〜7日である。
寄主植物は、ナス、ピーマン、イチゴ、キュウリ、メロン、スイカ、ガーベラ、ダリア、チャ、ミカン、ナシなど多数が知られている。

2.防除のねらい

(1) 寄主植物の範囲が広いので,圃場周辺の雑草管理を徹底し発生源を根絶する。また,圃場周辺の茶樹やサザンカなどに対する薬剤防除を行う。
(2) 加害されるとナスの生育が著しく遅延するので、早期発見・初期防除に努める。 (3) 一度発生すると例年発生する場合が多いので、既発生圃場では特に注意して圃 場内を観察し、早期発見に努める。
(4) 短期間で世代を繰り返すため、発生を認めた場合にはアプロード水和剤を除き、  約5日間隔で2〜3回薬剤防除を行う。

3.防 除 法

 ○ 耕種的防除
   被害茎葉を圃場に放置せず、まとめて焼却する。