アブラムシ類(ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ)

1.生  態

ワタアブラムシは早春から発生するが、5月頃から有翅虫も現れ、ほ場に飛来するようになる。梅雨明けとともに急激に増加する。露地では、卵越冬するものと胎生雌虫で越冬するものがいる。施設栽培では、冬期も発生する。
モモアカアブラムシは5月末頃から有翅虫も現れ、圃場に飛来するようになる。初夏に急激に増加するが、盛夏には一時的に減少する。秋には再び多くなる。露地では、卵越冬するものと胎生雌虫で越冬するものがいる。施設栽培では、冬期も発生する。
2種とも心葉や上位葉の葉裏に群棲し、吸汁するため株の伸長が悪くなる。またウイルス病を媒介する。
2種とも寄生範囲が極めて広い。

2.防除のねらい

(1) 育苗床、本圃の近くにアブラムシが多発生した作物がないようにする。
(2) 2種とも発生し始めると急激に増殖するので、初期発生に注意し早期防除を徹 底する。
(3) 薬剤抵抗性の認められる場合もあるので、薬剤防除に当たっては同一薬剤また は同系統薬剤の連続使用を避ける。

3.防 除 法

○ 耕種的防除
(1) ウイルス病予防のため、育苗期は苗を寒冷紗で被覆し、飛来成虫を遮断する。
(2) シルバーポリフィルム等のマルチにより、成虫の飛来を防ぐ。

4.写真

  
   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑より