ハダニ類

1.生  態

 カンザワハダニとナミハダニが発生する。両種とも高温と乾燥条件下で増殖率が高く、約10日間で卵から成虫となる。一方、低温と過湿の条件では増殖率は低く、冬期や梅雨期に密度が急激に増加することはない。発生の初期には下葉に白いカスリ状の斑紋が見られ、このような葉の裏側には成幼虫が認められる。発生の初期にはごく一部の株で局部的に発生するが、好適な条件では急激に密度が増加し圃場全体で葉に斑紋が見られるようになる。
 露地栽培では、定植後しばらくしてから発生が始まるが、梅雨時期には一時的に減少し、梅雨明け後に最も発生が多くなる。盛夏期には発生が抑制されるが、9月に再び増加する。促成栽培では定植後から翌春までの発生は少ないが、3月中下旬頃から密度が増加し,収穫終了まで発生を繰り返す。

2.防除のねらい

(1) 育苗期から定植直後の時期に防除を徹底する。この時期は葉数も少ないので薬 液が葉裏にもかかり易く、防除効果をあげやすい。
(2) 多発生後は防除が困難であるので早期発見、早期防除に努める。
(3) イチゴ以外の植物にも寄生するので、圃場周辺作物の雑草の薬剤防除、除草を 行う。
(4) 寄生された作物、雑草の残渣を圃場周辺に放置すると、これらの残渣からハダ ニが移動し、再び寄生するので、残渣は放置せず、土中に埋没したり、ビニル袋 等に入れて密閉し、処分する。
(5) 抵抗性がつきやすいので、同一系統薬剤の連用は避ける。

3.防 除 法

○ 耕種的防除
  下葉の被害葉は取り除き焼却する。

4.写真

左上:ハダニによる葉の被害
左:ナミハダニ
上:カンザワハダニ
   
写真:福岡県園芸・茶病害図鑑より